
「ことば」ってなんだろう?
2025年11月04日 18:57
〜できることから始めよう!うちの子のペースを見つけるヒント〜
お子さんの「ことばの遅れ」について、不安を感じたり、「このままで大丈夫かな?」と悩んだりしていませんか?
言葉の発達は、個性と同じ。一人ひとりスピードも道筋も違います。
このブログでは、お子さんの「ことば」を育むために今日からできることを、焦らず探すヒントをお届けします。
☆ポイント 1:ことばの「基本」を理解する💡
「ことば」イコール「話すこと」だけではありません。私たちはつい「言葉=話すこと(おしゃべり)」と考えがちですが、実はもっと広い意味を持ちます。お子さんが人と関わる上で使っている、すべての「受け取る力」と「伝える力」を指します。
【ことばの3つのチカラ 】
1. 受け取るチカラ (理解)
例) 外出するときに持って行くバッグを見せて「お出かけするよ」と聞いて、玄関に向かう。「ワンワン、どれ?」と聞かれて指差しができる。
2. 伝えるチカラ (表出)
例)「イヤイヤ!」と首を振る。 クレーン現象で欲しいもの取る。要求のものを指差す。「とって、ちょうだい」など、話し言葉で要求を伝える。
3. 音を作り出すチカラ (発音)
例)泣く、笑うなどの生理的発声。喃語(あーあー、まんま)を出す。それらしいことばを言う、しゃべっているようなイントネーションで話す。
言葉が出ていなくても、「お母さんの表情をよく見ている」「指差しで欲しいものを教えてくれた」など、話しことば以外にも受け取る力や伝える力が育っている証拠がたくさんあります。これらを「ノンバーンバル」と言います。
「ノンバーンバル」(非言語)=視線、身振り、表情、動作、図形シンボル、絵など。
まずは、お子さんが「伝えてくれたこと」をしっかりキャッチしてあげましょう。1度で何を伝えたいのかがかわからなくても、わかってあげようと歩み寄る姿勢も大切です。
そして、ことばの獲得で何よりも重要なのは「受け取るチカラ(わかる)」ことを増やしていくこと!です。
☆ポイント 2:ことばの「発達」の全体像📈
発達は「階段」ではなく「ジャングルジム」です!
「○歳までに○語」といった目安に囚われてしまうと、焦りが生まれてしまいます。ことばの発達は、一直線の階段を登るのではなく、自由に伸びていくジャングルジムのようなものです。
* 運動能力が先に伸びて、言葉がゆっくりな子。
* 言葉の理解は抜群だけど、発語がゆっくりな子。
* 遊び方は上手だけど、発音がゆっくりな子。
他の子と比べて「遅れている、できていない」というよりは、お子さんが今、どんなことができて、どんな風に伝えているのか、「少し前と比べてできてきていること」に注目してみてみましょう。そして、「ことば」に関することだけでなく、お子さんの得意なことや好きな遊びを見つけてあげてください。それが、結果的にコミュニケーションを豊かにする土台になります。
☆ポイント 3:今日からできる「家庭での関わり方」🗣️
焦らず、楽しく、今すぐできる関わり方をご紹介します。
【魔法の「ことばがけ」の土台作り】
専門的な訓練は必要ありません。大切なのは、おうちでの過ごし方の工夫で生み出される親子の楽しい時間です。
◎子どもの「実況中継」をする
お子さんが遊んでいる様子を、短く、はっきりと言葉にして伝えます。
例:子どもが車を走らせたら、「ブーブー、走ったね」「ゴロゴロ、楽しいね」
◎ 気持ちを「代弁」する
お子さんが言葉にできない動作や感情、要求を代わりに言葉にしてあげます。
例:おもちゃを取られて泣いている時、「あー、嫌だったね!」「どうぞ、が言いたかったね」
◎オウム返しと「ちょっと足し」
お子さんが発した言葉(または声)に、少し言葉を足して返します。
例:子どもが「ワンワン」と言ったら、「大きなワンワンだね!」
親が楽しそうに話しかけることで、お子さんは「言葉って楽しい!伝わるって嬉しい!」と感じ、言葉への興味が自然と育まれていきます。
最後に・・・・
もしこのような関わり方を試しても、やはりお子さんの気になることがあれば、まずは自治体の保健師さんや子育て相談窓口に問い合わせてみましょう。
それでも問い合せるのが不安、相談したらどうなるのか想像しがたいなどのご心配があれば、ぜひオンライン相談にお越しください。子どもの言語聴覚士が1対1でお話しを丁寧に伺います。検査や診断はできませんが、今お住まいの地域にある社会資源と「おうち療育」を使ってお子さんの成長を共に伸ばしていくことができます。
「うちの子のペース」を見つけ、「できること」から一緒に始めていきましょう!